
戸建て住宅を建てる際によく耳にする気密。高気密の住宅の方がよいといった話が最近よく話題に上がっていますが、気密が何かよくわからないという方も少なくないかと思います。そこで本記事では、気密測定についてくわしく紹介していきます。戸建て住宅を建てる際に気密が気になっている方はぜひ参考にしてください。
気密測定の概要
ハウスメーカーなどで気密に関する話題を耳にする機会は増えましたが、そもそも気密が何かわからないという方も少なくないかと思います。そこでここでは、気密測定の概要についてくわしく紹介します。測定方法とC値の目安についても触れているので、ぜひ参考にしてください。
気密測定の概要
気密とは、住宅から隙間を減らし、室内の空気が外に漏れだしたり外の空気が室内に入り込んできたりしないように対策することです。住宅から隙間を無くすほど気密性は上がり、隙間が多い住宅ほど気密性は下がります。
気密測定とは、住宅の隙間の面積を測定してどの程度の気密性脳があるのかを図る検査のことです。なお、気密測定の実施は法律で義務付けられている工程ではなく、高気密を宣伝文句にしているハウスメーカーであっても、測定を行わないというケースは珍しくありません。
気密測定の方法
気密測定では、専用の機械を用いて室内の隙間面積を測定します。すべての住宅に共通で存在する換気口や換気扇には目張りをしてから実施するので、換気システムが搭載されている住宅などであっても正確な気密性能を測定可能です。
気密性の値をC値と呼び、C値は0に近ければ近いほどよいとされています。一般的にはC値が1.0㎠/㎡を切れば気密性がよいと表現されることがほとんどです。
C値1.0㎠/㎡は、あくまでも目安であり、法律などで明確にルール化されているわけではありません。なお、一般的な特別高気密ではない住宅のC値は5㎠/㎡程度です。
気密測定をするメリット
次に気密測定を行うメリットをくわしく紹介します。気密測定は高気密が売りの住宅であっても気密測定までは行わないケースが珍しくありませんが、気密測定の実施にはさまざまなメリットがあります。
気密性が判明する
気密測定を実施する最大のメリットは、気密性が判明することです。気密性能はちょっとした作業のミスや部材の組み合わせ方によっても変化する可能性がある要素です。
そのため、計算上このくらいの気密性があると事前に伝えられていても、本当に計算どおりの機密性能があるかは計測してみなければわかりません。高気密の住宅にこだわりがあり、確実な気密性脳を保証してほしいと考えているのであれば、測定まで実施してもらった方がよいでしょう。
気密性は、部材はもちろん実際に施工にあたる職人の腕前によっても変動する数値であることから、最初からきっちりと測定を行ったうえで施工を行っている工務店は信頼できる工務店であるといえます。
低かった場合に修正が行える
気密測定を実施すると、気密性がはっきりと数字でわかるため、万が一当初の予定よりも気密性脳が低かった場合に修正が行えるようになります。
気密性脳は施工にあたる職人の腕前や部材の質などによっても変動する可能性がある数値なので、確実に気密性の優れた住宅を建てたいと考えている方は、気密測定を依頼するとよいでしょう。
気密測定をするデメリット
次に気密測定をするデメリットをくわしく紹介します。デメリットとしては、測定費用が上乗せされる分建築費用がかさむことと、修正が発生した場合に引き渡しが当初の予定よりも遅れる可能性があることが挙げられます。
住宅建築費がかさむ
気密測定は無料で行えるものではなく、実施には5万円前後の費用がかかります。初めからプランに組み込まれていたのであれば追加料金はかかりませんが、利用者側から要望を出して実施してもらう場合には、追加で測定費用がかかるので注意しましょう。
引き渡し日が遅れる可能性がある
気密測定を実施すると、万が一性能が規定値に達していなかった場合に手戻りが発生するため、住宅の引き渡し日が当初の予定よりも遅れる可能性があります。気密性脳よりも予定どおりの引き渡しを重視したいのであれば、注意が必要です。
気密測定を実施してもらいたいと考えている場合は、施工が開始された後で伝えるのではなく、必ず打ち合わせの段階で伝えるようにしましょう。工事の日程調整前に気密測定の実施を決定できれば、あらかじめ工事の日程に組み込んでもらえるので、引き渡し日が遅れる可能性を減らせます。
まとめ
本記事では、気密測定とは何かと、実施するメリット・デメリットについて紹介しました。気密性能は、現場の職人の腕前や部材の状態によっても変動する数値であることから、高気密を売りにしている住宅であっても実施しないというケースは珍しくありません。メリットには、気密性が判明することや、万が一規定値よりも低かった場合に修正が行えることがあり、反対にデメリットとしては費用がかさむことと引き渡し日が遅れる可能性があることがあります。実施する場合には、なるべく早い段階でハウスメーカーに伝えるようにしましょう。本記事が、戸建て住宅を建てるか迷っている方のお役に立てれば幸いです。