
注文住宅とは、ハウスメーカーや工務店と契約を交わして建てる新築住宅のことを指します。間取りやデザイン・仕様など、さまざまなものを自分で思うように決められる住宅です。注文住宅で建てる割合も45%と高い数字を示しており、人気の建築方法です。今回は、そんな注文住宅にかかる費用の内訳について詳しく解説します。
注文住宅の費用内訳は大きく分けて3種類
注文住宅で発生する費用の主な内訳は、3種類となっているのが大きな特徴です。その3種類とは、本体工事費用・付帯工事費用・諸費用です。下記では、その3種類の詳細について解説します。家を建てる際は、ぜひ参考にしてください。
本体工事費用
本体工事費用とは、建物を建てる際に発生する費用のことを指します。家を建てる際は、この本体工事費用が費用の大部分を占め、その割合は7〜8割ほどとなります。工務店やハウスメーカーなどで宣伝されている坪単価や住宅の値段は、こちらの本体工事費用のみを表しているケースが多いです。
そのため、住宅価格は3,000万円と宣伝されていても、総費用はそれよりも高額になりやすい点が注意すべきポイントといえます。本体工事費用には、仮設工事・木工工事といった基礎づくりや外装・屋根の工事、断熱材やタイルの取り付け、電線や水道管の配線・配管、空調工事、住宅設備の設置工事などが含まれます。
付帯工事費用
付帯工事費用とは、建物以外の工事で発生する費用を指します。付帯工事費用は、全体の費用の2割ほどです。詳しい内訳としては、庭や門、塀や駐車場などの外構費用、エアコンやカーテンを取り付ける際の費用が挙げられます。
それ以外にも、前の家を壊した際に発生する費用や、地盤改良工事の費用もこちらの付帯工事費用に含まれます。また、地盤改良工事となると、多額の費用が発生してしまいがちです。そのため、土地探しの段階で土地の状態も一緒に調べてもらうのがおすすめです。
諸費用
3つ目は諸費用です。諸費用は、上記で解説した建物の費用と、建物まわりにかかる工事以外の費用を指します。こちらの費用は、上記の2つと比べて比較的安価です。最も割合が低く、全体の7%ほどです。
詳しい内訳としては、契約する際に発生する印紙代や税金関係、家具や家電を買った際の費用、そして引越し代などが挙げられます。こちらの費用は現金支払いのパターンが多いため、前もって資金を準備しておくことが重要です。
注文住宅の費用内訳・諸経費について詳しく紹介
次に、注文住宅で発生する費用の詳しい中身や諸経費について紹介します。以下の解説を、ぜひ覚えておいてください。
外構費用
外構費用は、デザインや土地の大きさなどによって価格差があります。こだわりが強い方や庭を豪華にしたいと考えている方は、この費用がかさむ場合があります。
もし専門業者に工事を依頼する際には、複数の業者で相見積もりを取って比較してから慎重に決めていきましょう。そうすることで、後悔しない家づくりにつながります。
地鎮祭
地鎮祭を行う際には、神主さんへの謝礼、お供えものの費用を用意する必要があります。また、上棟式などを行う方は、大工さんへのご祝儀も用意しておかなければなりません。地鎮祭の謝礼は4万円ほど、上棟式のご祝儀は3万円ほどの費用を見積もっておきましょう。
近隣へのご挨拶
家を建てる際は、どうしても工事騒音が発生します。そのため、前もって近隣の方へ挨拶しておくことが大切です。トラブルを防ぐためにも、早めに挨拶に伺いましょう。そして、挨拶の際には菓子折りを持って行くことをおすすめします。
住宅ローンを設定する際にかかる費用内訳
最後に、住宅ローンを設定する際にかかる費用の内訳を解説します。住宅ローンを利用する方は、下記で解説する内訳を頭に入れておきましょう。
印紙税
印紙税とは、住宅ローンの契約を結ぶ際に必要になるものです。税額は、借入金額によって変わります。実際の支払いは、税額の収入印紙を購入し、契約書に貼るという流れになります。
登記費用
金融機関から借り入れする代わりに、建物や土地に抵当権を設定する必要があります。登記費用は、その際に発生する費用です。この手続きを依頼する際は依頼費用も追加で必要になるので、注意が必要です。
事務手数料
事務手数料は、金融機関へ支払う手数料です。住宅ローンの借入金額に応じて手数料が決まるケースと、借入金額に関わらず決められた金額を支払うケースがあります。
まとめ
注文住宅は、間取りやデザインを自由に決められる人気の建築方法です。注文住宅建設にかかる費用は「本体工事費用」「付帯工事費用」「諸費用」の3種類に大きく分けられます。本体工事費用は建物自体にかかる費用で、全体の7~8割を占めます。付帯工事費用は庭や駐車場、地盤改良工事など建物外の費用で、全体の約2割です。諸費用は税金や引越し代などの費用で、全体の7%ほどに抑えられます。また、外構費用や地鎮祭の費用、近隣への挨拶も考慮が必要です。さらに、住宅ローン契約時には印紙税や登記費用、事務手数料が発生します。事前に詳細な見積もりを確認し、十分な資金準備を行うことで、後悔のない理想の住まいを実現できます。